気圧と真空

「低気圧でも気圧が下がるけど、山に登っても気圧が下がるって聞いたよ。」

「気圧は地球にのった空気の重さに繋がっているからね。標高の高いところに行くとその分空気の重さが減るんだ。」

「気体の分子は気圧の低い方に流れるんだよね。どんどん上空へいってなくならないの?」

「重力、万有引力で、気体の分子も地球に引っ張られているんだ。月や小惑星ではあまりガスが無くて、大きな惑星や衛星だとガスを引き付けられるんだ。」


標高が低いところだと重力によるガスの重さの影響が大きいです。標高が高くなると気温が下がって水蒸気が水・氷に代わることで圧力が変わります。逆に山の上だと熱いお湯が作りにくい、圧力が下がって沸点が下がるように、ガス化しやすい条件にもなります。

バランスがどっち寄りかで細かい値が変わっていくのですが、大きなところは引力の影響です。
大気の分子、ガスの分子は上空に行くと圧力が下がる、つまりどんどん数を減らしていきます。
ガス分子の量が多いところで、大気圏が形成され、その中も対流圏、成層圏、中間圏、熱圏、外気圏となり、外気圏は高度500㎞を超えるそうです。

国際宇宙ステーション(ISS)が飛行しているのは高度400㎞あたりで、まだ大気圏の中ですね。
ガス分子の数がある程度多いところで、100㎞あたりから先を宇宙と定義しているそうです。
100km東京から直線距離だと、だいたい銚子、水戸、宇都宮、高崎、三島あたりになります。
エベレストで8.8km、国際線の航空機が10kmあたりを飛んでいます。その10倍くらいが、地球の大気圏の厚さになります。

地球に引っ張られていますが、ガスの分子は確率的に大気圏外に飛び出します。また、大気圏外からも入ってくることも考えられます。宇宙空間には何もないと考えられていた時期もあったようですが、今は極めて薄いけれど、水素やヘリウムなんかがあることがわかっています。他の物質も探索しています。

さて、「真空」というと何もない空間と思われがちですが、一般に使われている「真空」も圧力が小さくなったところです。簡易な装置だと1000Pa=10hPaくらいから、10Pa=0.1hPa、高真空と呼ばれる領域で、10-4 Paから 10-6 Pa、一部の超高真空の装置で、10-8 Paから10-10 Paくらいです。宇宙空間は10-11 Paくらいと考えられていますので、数十kmの高度から、ISSくらいの高度が産業で使われている高度だとわかります。

さて、5回目のコラムでも出てきたアボガドロ数は気圧に比例します。
温度が一緒だと10-10 Paでは、15乗分小さくなるので、6.02×108個の分子が22.4L中にあることになります。6億個ですね。けっこうガス分子減っていませんよね。

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表現を簡単にして書いているので、正確には違うよね、ということが出てきます。入口、代替の概念で理解していただければと思います。意見には個人差がありますので、ご了承ください。

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最高技術責任者CTO
中野 禅(ぜんちゃん)

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