「原子が案外大きいってわかったけど、水や空気も原子からできているんだよね?」
「そうだよ、水は水素と酸素でH2Oだね。空気は窒素N2や酸素O2や、二酸化炭素CO2なんかが混ざってできているね。」
「水は捕まえられないし、空気は無いみたいだから、原子って少ないの?」
「それがそうでもないんだよ。」
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水や空気がどのくらいの原子が入っているか、原子の距離を考えてみましょう。
高校の化学くらいの知識で求められます。
最初に水から見てみましょう。
水の重さは1 Lで1 ㎏、もともとの1kgの定義なので、わかりやすいです。
正確には温度で状態が変わるのですが、とりあえずここでは置いておいて、1Lで1kgで話を進めましょう。
前回の話でも出てきましたが大事な数字がアボガドロ数です。
6.02×1023 個/mol です。
1 molに含まれている原子・分子の数ですね。
次に水の1 molは、そう、18 gです。18g中に水の分子がアボガドロ数個入っていることになりますね。
水の18gは18ccです。
18ccなのでおよそ、2.62cmの立方体になります。この箱の中にアボガドロ数分の分子が均等に入っている、と思うと、8.44×107個ずつ並んでいることになります。
2.62 ㎝ の長さに8.44×107 個 が並ぶ勘定です。
2.62×10-2/8.44×107=3.1×10-10m
ですね。だいたい0.3 nm 毎に水の分子が並んでいる勘定になりました。
固体が 0.2 nmくらいでしたので、固体よりちょっと距離が離れているくらいですね。
空気は、先に書いた通りいろいろなガスが混合していますが、ここでは一種類のガスで考えてみます。
気体、ガスの場合に大事な数字はモル体積、常温常圧、0 ℃ 1 気圧の時、1molの気体は22.4 L になる。というものです。22.4 L とはどのくらいの体積でしょうか?
だいたい1辺が 28.2 ㎝ の大きさの立方体になります。
この大きさに 1 mol の気体ですから、液体と同じように考えればいいですね。
28.2×10-2/8.44×107=3.3×10-9 m
一辺がだいたい10倍の大きさですから、だいたい10倍距離が離れますね。
液体だと0.3 nm、気体だと3nmくらいの間隔に分子が並んでいることがわかりました。
固体・液体・気体で1.5倍、15倍くらいの距離で分子が並んでいますね。
液体と固体は案外近いし、気体は急に離れますね。
「意見には個人差があります」次回に続きます。
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最高技術責任者CTO
中野 禅(ぜんちゃん)